私たちは日常生活で様々な判断を繰り返しています。判断のプロセスは複数の選択肢を考え、その中から比較検討し最適な選択をします。
例えば、傘を持って行くか?何を食べるか?どの交通機関を利用するか?どこに投資するか?どの業務を優先して着手するか?会議で何を発言するか?メールを受信したが本物or偽物か?メール送信で宛先が正しいか?など大小様々な判断です。
「判断力」を向上させるためには、事前に複数の「選択肢」が思い浮かぶか否かにかかる。つまり、良質なInputから選択肢に関する知識を入手後、内容を分析、かつ、アップデートして、必要に応じてOutputできることである。しかし、良質なInputを得るためには、多角的視点で様々な観点で見ることが大切である。また、情報収集だけではなく、選択肢の分析やアップデートについても触れていく必要がある。
判断力と選択肢の関係性は?
判断と選択肢を可視化すると次のイメージです。マルウェア感染を例にして説明します。マルウェアとは、コンピュータ機器に異常な動作を及ぼすソフトウェアを言います。

事象に必要な視点
事象や事柄の見え方は千差万別です。マルウェア感染で言えば、対象機器は何か?侵入経路はどのようなものか?攻撃手法はどのようなものがあるか?セキュリティ対策は万全か?万一マルウェアに感染した時にどのような行動を取るか?データのバックアップは取得しているか?万一、情報が詐取された場合の影響範囲は何か?・・・etc
ざっと思い浮かぶだけで幾つもあり、個々について知識や問題時の対策は異なります。このように「多角的視点」で見ることは、物事をより俯瞰的で捉えることができます。俯瞰的とは、鳥が空から地上を見下ろすように、広範囲(視野が広い)で見る能力を言います。
選択肢の重要性
判断をするには選択肢が必要ですが、元になる知識が無いと誤った判断をすることがあります。そもそも無知は保持している情報が少なく。何も浮かばないのは当然ですね。マルウェア感染を例に取ると、危険性が把握できないので、「知らないものには近寄らない」ぐらいでしょうか。
パソコンやスマートフォンなど便利なツールを使わないと言う選択肢は、機会損失になる上、自らの可能性を狭めているとも言えます。
判断の重要性
複数の選択肢から判断をする時、思考の偏り(バイアス)や価値観が選択肢に影響を与えることがあります。例えば、通販番組で使われる「今なら○○もセットで」や、コンビニのレジ前の「数十円の物を一緒に買ってしまう」など身近なことから、「自分の仕事の能力は中の上」や「一人ぐらい手を抜いても大丈夫だろう」など多岐に渡ります。
私たち人間には、このような特性があること理解した上で、適切な判断をするようにしましょう。
人間の不思議な特性
私たち人間には、不思議な特性も持ち合わせています。例えば、約束を忘れてしまったり、荷物を取りに行った時に話しかけられて用事を忘れるなどは誰もが経験したことがあるでしょう。これは受験勉強で一生懸命に勉強した歴史や理科を思い出せないなどもあるでしょう。
更に「急かされて間違う(スリップ)」「誤解が要因で間違う(ミステイク)」「単純に忘れる(ラプス)」などヒューマンエラーは多々あります。